
高校生の時にレッスンさせてもらっていたボイストレーナーの安田結衣ちゃん。先月独立されたということでカラオケ店でインタビューさせてもらいました。ボイストレーナーとして大切にしていること、悩み、お金のこと、集客のこと、生徒さんとの関係など語り合ってきました。全6回でお届けします。
#01 もらって嬉しいお金
#02 アメリカでの人体解剖研修
#04 生徒と講師は株式会社
#05 救えなかった生徒さん
#06 ビブラート問題
#02 アメリカでの人体解剖研修
(渡辺)
アメリカに人体解剖研修に行ってたやん?そのお話も聞きたくて!まず行くまでに、ものすごい勉強せないけんのよね?
(結衣ちゃん)
そうですね。
解剖した期間は5日間しかないんですけど、その5日間で人の体の表皮から内蔵まで、深層まで見ていくっていう流れの研修です。最初は、喉を知りたい、喉を見に行くんだって思ってたんですけど、体の皮膚とか内臓とか骨とか筋肉とか、喉以外の場所も全部勉強してから行くんですね。20回の講義をしていくんですけど‥
(渡辺)
合計20時間ってこと?
(結衣ちゃん)
1講義が2時間なんで、
(渡辺)
!!(無言で驚いた顔芸)ハードやな。
(結衣ちゃん)
その2時間の講義を録画させてもらってたんですけど、お家で復習するのに6時間かかってるんです(笑)
自分の興味じゃなかったところを勉強することで、やっぱりそっちも大事よね、っていうことになってきて。皮膚って一枚ものだからねってよく言われるんですけど、ほんとにそうでした。喉は小さな筋肉の集まりなので、そこだけしか勉強してなかったら繊細すぎて‥
(渡辺)
そんなに小さい?
(結衣ちゃん)
小さいです。想像してた半分くらい。ミニチュアでした(笑)
(渡辺)
へー!
(結衣ちゃん)
知識はあっても、実際に見ると、全体の中のこれだけ?!って、割合の小ささに驚きました。
(渡辺)
以前、生徒さんから「プロテインを飲んだら喉の筋肉に効きますか?」っていうご質問を受けて、それを山本先生に教えてもらったんよ。
「全体から見たら喉の筋肉はかなり小さいから、ゼロではないかもしれないけど効果は期待できない」っていう回答やったんよ。そんなに小さいんかな?って思ってたんやけど、実際に見るとほんまに小さいんや!
(結衣ちゃん)
そうですね。全体を捉えた上での喉という観点が大事だなって思いました。私も喉に興味があるし、喉にフォーカスしていろんな物事を見たり聞いたりしてるので、喉で全部出来てしまうんじゃないかって思いがちですが。
実際、ここの筋肉がっていう風にピンポイントで言ってしまいがちだし、そういうメソッドもあります。全部が融合して動いてしまう人は、独立する考え方が必要かなとは思うんですけど、でもやっぱりつながっていないと動けないものでもありますし、喉以外のところがちゃんと機能してなかったら、喉っていう細かいところは余計に動きにくくなります。
筋肉の性質として、筋肉は単体で動くものじゃなくて骨を動かすものだし、ムキムキになるのがいいのではなく、必要に応じて動けることが大切かなと思います。

(渡辺)
うんうん。マイクの持ち方や歌う姿勢など、動きが固まってしまってる人とかおるやん?レッスンではどこまで触れる?
(結衣ちゃん)
めちゃ言います。
(渡辺)
あー!そうなんや。
(結衣ちゃん)
前の教室にはスタジオに全身鏡があって、立って歌うっていうのが基本スタイルやったんです。カラオケは、生徒さんが自分の体を見れないという環境の特徴があると思うんです。だから余計に、こうなってるよっていうのを伝えないといけないなって思います。
あと、カラオケの画面が目の前になくて、斜めを向いた姿勢にならないといけない場合、ひねりがあるので、それでちょっと力みやすかったりする人もいます。
生徒さんは、普段練習したり楽しんだりするのはカラオケだという人が多かったんですけど、スタジオだと声が出るけど、カラオケだと声が出ないっていう悩みがある方もいて。じゃあ、カラオケの時にどうやって歌ってるんですか?って聞くと、あまり何も体のことを考えてないっていう人も多かったんです。
例えば、いつも右向いて歌うことが多いという事が、立ち姿勢で分かることもあるんです。立っていて、もうすでにひねりが出てたりと、普段の習慣が体に出てしまう。逆に左を向いて、逆のひねりを使って歌ってみてもらうと、声が出たりするんです。
(渡辺)
普段の体の使い方の枠の外に出ようってことやんね?
(結衣ちゃん)
そうです。良い方を選んでもらうというか。最初は、あれ?って感じる人もいるかもしれないですけど、そうやって体に向き合うことも大事だと思います。
(渡辺)
うんうん。ほんまそうやんねぇ。
次回へ続く!お楽しみに♪
#01 もらって嬉しいお金
#02 アメリカでの人体解剖研修
#04 生徒と講師は株式会社
#05 救えなかった生徒さん
#06 ビブラート問題