
高槻と草津でレッスンされてるボイストレーナーの安田結衣ちゃん。先月独立されたということでカラオケ店でインタビューさせてもらいました。ボイストレーナーとして大切にしていること、悩み、お金のこと、集客のこと、生徒さんとの関係など語り合ってきました。全6回でお届けします。
#01 もらって嬉しいお金
#02 アメリカでの人体解剖研修
#04 生徒と講師は株式会社
#05 救えなかった生徒さん
#06 ビブラート問題

(結衣ちゃん)
カラオケレッスンに来てる人のお悩みや要望ってどんなことがありますか?
(渡辺)
いろいろあるけど、ビブラートが出来るようになりたいってご希望は多いかな。ビブラートっていうのは花形のワザみたいやね。結衣ちゃんのレッスンでもある?
(結衣ちゃん)
曲メインで歌いたい人はビブラートとかもします。ボイストレーニングの希望は?
(渡辺)
「ボイトレ」は歌手になりたい人がするもので、敷居が高くて無理ですって言われる人が多くて、ご希望はされないかな。けど、高音を出したいとか声量をアップしたいとかもっと楽に歌いたいとか、「ボイトレ」って言葉を直接は使わないけど、間接的に「ボイトレ」をご希望される方がほとんどかな。専門用語とかどこまで使う?
(結衣ちゃん)
けっこう使う方かな~と。なんかその言葉に意味が込められていると思うので、やっぱり便利ですよね。意味もしっかりと伝えないといけないですけど。筋肉の名前とかも、この場所についてる筋肉だからこういう名前がついてるっていう、もともとの場所を理解するための名前だったりもするし、ビブラートっていう言葉の意味もあるし、、、。

(渡辺)
そうや!なんやっけ?バイブ、、
(結衣ちゃん)
バイブラート。なので振動っていう意味で、ビブラートていう名前だけど声帯の振動なので、顎を動かすとかではないっていう。
(渡辺)
そうそうそう!思い出した!ビブラートって顎でかけるものと、横隔膜を上下させるものとか何種類もあるんですよね、ってよく聞かれることあって。その時になんて説明したら伝わるかなって毎回考えるんやけど、結衣ちゃんはなんて言っとる?
(結衣ちゃん)
横隔膜は、えーと、ちょっと、多分、山本先生(音楽家のための体のサポートをされてる理学療法士の山本篤先生。アメリカでの解剖研修のサポートや音楽大学で解剖学の講義を担当)的にはダメだと思うんですけど(笑)
(渡辺)
そうやんね(笑)でもユーチューブとかネットとかではよく、顎とか横隔膜を使うって出てくるよね。
(結衣ちゃん)
私は、全部一緒ですってお伝えします。全部一緒だけど、歌手だったら見た目も大事なので、そういうフォームなんですって言います。顎を動かすっていうジャンルがあるっていう。ビジュアル系だったり。でも根本は一緒ですと伝えて。顎を使わず出来た方がいいっていうのは伝えます。
(渡辺)
うんうんうんうん。
(結衣ちゃん)
ちゃんと分離はしてもらえるようにして、顎を動かしたい時はしてもいいですけど。
(渡辺)
そこは自由やもんね。
(結衣ちゃん)
一応訂正はしますかね。名前だけ先にいってしまうと違う解釈が増えたりしちゃうので。
(渡辺)
でもやっぱり、名前が先にいってることは多いよね。やから初心者の方がネットで正しい情報だけキャッチするっていうのは難しいよね。
(結衣ちゃん)
変わっていくかもしれないですしね。
(渡辺)
あーそうやね。
(結衣ちゃん)
だからまあ、なんかこうリスキーな言葉はあんまり使わないようにしています。感覚派の人には、ヘッドボイスとか使ったりするかもしれないんですけど。
(渡辺)
あ、感覚派の人に使うんや!

(結衣ちゃん)
どっちかっていうと感覚派の方がいいですね。頭に響かせるっていう意味だったら、感覚派の人にはすごいはまるんですけど、理論派の人には全然伝わらないので。
(渡辺)
理論派の人にはなんて伝えるん?
(結衣ちゃん)
理論派の人には、一応全部説明して、体感してもらったりとか振動の仕方とかくらいですかね。感覚派の人は耳とかで聞いたまま表現するのが得意な方で、論理的な方は自分で触ったり見たりしないと分からない人が多いと思うんです。
(渡辺)
じゃあ私のレッスンを受けてもらってる人は感覚派の人が多いかな。
(結衣ちゃん)
感覚でいうとすごい分かってくれる人もいるので、ここのピースやったのか!っていうのがけっこうありますね。
(渡辺)
そういうことあった!1から理論を説明した方がいいかなって感じたから、声帯はどうで筋肉はどうでってお伝えしたんやけど反応なくて。要は宝塚の男役みたいな声ですって言ったら、あー!ってすぐ伝わって。そこだったか!っていう(笑)
(結衣ちゃん)
(笑)そうですよね。
(渡辺)
レッスンしてて感覚派の人が多いんやけど、(ご利用者さんの)再現率は高めないけんやんか?一人立ちしてもらいたくて、そのいい声を自分で何回も再現できるようにしてもらいたいから、生徒さんがいい声を出した時に「今の声出した時にどんな感じがしましたか?」ってけっこう聞くんよ。
で、「ここら辺がなんかふわっとしてる感じがします」って言われたら、「じゃあその、ふわっとした感覚を頼りに練習してみてくださいね。」って言うんやけど、これはいいのかなって毎回考えるんやけど、どう思う?
(結衣ちゃん)
いいと思います。私もそういう事はあって、前に飛ばすように歌ったらよくなったっていう人がいて、それが耳で聞いてダメな声やったら修正するんですけど。
(渡辺)
わかるわかる。
(結衣ちゃん)
耳で聞いて(その声が)大丈夫や!ってなったら、それを頼りにやるしかないですよね。
(渡辺)
そうやんね。
(結衣ちゃん)
でまた感覚がずれるかもしれないですけど。
(渡辺)
そうなんよそうなんよ!

(結衣ちゃん)
ね。多分その時はその生徒さんも、「あ、この方法じゃなかったな」っていうのに気づくと思うので、また別のキーワードを投げてみたりとか、じゃあここじゃなくて上の方にしてみたら?って伝えたら良くなるかもしれないし、だんだん耳が鍛えられていって、喉の体感が鍛えられていくし、生徒さんが言葉に出すことがバラバラだとしても、喉の筋肉は同じように使われていると思うので、だから繰り返すようにしていけば、おのずと鍛えられていくかなって思います。
(渡辺)
そやね~。なんか最後に私の悩み相談室みたいになっとるけど大丈夫?(笑)
(結衣ちゃん)
あるあるですよね(笑)
(渡辺)
ありがとう!(笑)
以上になります。結衣ちゃんとお話した時間は宝物です。結衣ちゃんありがとう!読んでくださったみなさん、ありがとうございました。
#01 もらって嬉しいお金
#02 アメリカでの人体解剖研修
#04 生徒と講師は株式会社
#05 救えなかった生徒さん
#06 ビブラート問題